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●「キノの旅XIV」時雨沢 恵一 [読書レポート]

「キノの旅XIV」時雨沢 恵一
人間キノと言葉を話す二輪車エルメスの旅。


キノの旅 14―the Beautiful World (電撃文庫 し 8-33)

キノの旅 14―the Beautiful World (電撃文庫 し 8-33)

  • 作者: 時雨沢 恵一
  • 出版社/メーカー: アスキー・メディアワークス
  • 発売日: 2010/10
  • メディア: 文庫


読了日:2011.03.26
分 類:ライトノベル
ページ:260P
価 格:530円
発行日:2010年10月発行
出版社:メディアワークス電撃文庫
評 定:★★★★★


●作品データ●
----------------------------
主人公 : キノほか
語り口 : 3人称(一部、1人称)
ジャンル : 異世界ライトノベル
対 象 : ヤングアダルト~一般向け
雰囲気 : 静か。淡々とした
結 末 : 各話完結型
イラスト : 黒星 紅白
デザイン : 鎌部 善彦
---------------------------

【100字紹介】
人間のキノが、言葉を話す二輪車エルメスと
旅をする物語第14巻。国を巡ることは人を知ること。
人間とそして世界の、美しさも醜さも。
沢山の個性的な人が作り出す異世界都市国家を、
キノとエルメスと一緒に旅しよう



●収録作品●
--------------------------------------------
口絵 プロローグ 朝日の中で・b ―the Dawn・b―
口絵 第一話 情操教育の国 ―Do What We say!―
第二話 呟きの国 ―My Daily Life―
第三話 規制の国 ―Unreal Young Man―
第四話 開運の国 ―The Fifth "C", Cozenage―
第五話 遺作の国 ―Write or Die―
第六話 亡国の国 ―Self-destruction―
第七話 結婚の国 ―Testament―
第八話 寄生虫の国 ―Cure―
第九話 差別をする国 ―We Are NOT Like Us―
第十話 正しい国 ―WAR=We Are Right!―
第十一話 卑怯者の国 ―Toss-up―
エピローグ 朝日の中で・a ―the Dawn・a―
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キノのシリーズ第14作です。
いつも通り100字紹介は超手抜きで、いつも通り前と同じです。


第一話「情操教育の国」は、師匠たちがかつて訪れたとき、
荒れ放題の子ども達を教育するため、ペットを飼わせたり、
音楽を習わせたり、絵を描かせたりするのを法律で義務付けていた国で、
それが無意味だと廃止になったあと、師匠の一言で、
新たな教育が始まった…そのあとを、キノたちが入国しようとするお話。
まあ、そうなるでしょうね。かなり短い中に頑張って詰め込んだ感じ。

第二話「呟きの国」は、多分Twitterのような短文を連ねる日記形式。
でも、その日常はあまりにも非日常。
「シゲロクルツ」という、同国人でありながら異種の相手との
命をかけた戦いの中に身を投じる人物が、淡々と綴ります。
著者もTwitterをされているので、そのうち呟き関係のお話は
出てくるだろうなとは思っていましたが、
こういう話で持ってくるとは意外。
その特長を活かせる選択かどうかは微妙。

第三話「規制の国」は今まで流通していたものを突然、
規制された国の住人の愚痴。
確かに、ということと分かり易い皮肉のオチが僅か3ページの中に。

第四話「開運の国」は師匠たちが綺麗だけれど邪魔な石を
買ってくれないか、と持ちかけられる話。
英語タイトルにオチのヒントが…。

第五話「遺作の国」は、キノが人気作家の殺害を依頼される話。
この作家さんの泰然自若振りときたら…!

第六話「亡国の国」は、シズご一行様が、明らかに侵略されそうな、
無防備な国で、一人の男に出会うお話。
このおじさん、どちらにしても凄い策士かも。面白いです。

第七話「結婚の国」は、結婚相手を探すときの条件を
人工的に作ってしまっている国。
しかしこの国って、男性の方が圧倒的に数が多いのでしょうか?
選択権が女性側、というのは、著者が男性だから?

第八話「寄生虫の国」は、死ぬまで病気をしない人々の暮らす国。
この選択は…とても難しいです。思わず考え込んでしまいました。
でもやっぱり、嫌かな。オリジナリティがあって面白かったです。

第九話「差別をする国」は、ひたすら「ズムトラッタラ人」を嫌い、
引き合いに出したりしてくる国のお話。みんなお気に入りすぎ。
自らより下に位置する堕落した存在を具体化し、
そうならないように意識していくというのは、実は堕落を防ぐ
一番の早道なのかもしれません。端から見るびみょーですけど。

第十話「正しい国」は、戦争を憎むがゆえに突っ走った国の、
兵どもがゆめのあと、状態。この手の話はキノには多い気がします。

第十一話「卑怯者の国」は、反政府主義者の爆弾テロ犯と警察の争いに、
キノが巻き込まれる話。さて、卑怯者は誰?
それにしてもこの話の表紙のキノが可愛すぎです。


いつもみどころとなっている、あとがきは、
今回はごくふつう。若干文字が小さいくらい。
最近はそういう趣向に走っているのでしょうか。

全体に特に不可もなく。いや、つまりは面白いです。
比較的、短い作品の方が、より濃度が高くてよかったかも。
3-6話、8, 9話あたり。話数としては半分くらいですが、
これら全部あわせてもページ数は全体の3割くらいです。


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文章・描写 :★★★★★
展開・結末 :★★★★★
キャラクタ :★★★★★
独 自 性 :★★★★★
読 後 感 :★★★★★
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菜の花の一押しキャラ…キノ

「あなたを幸せにするのは 最後はいつだってあなただ」(口絵)
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NO NAME

カバー裏のあとがきカルタにはお気づきで?
by NO NAME (2015-06-27 12:07) 

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