●「伯爵と妖精 涙の秘密をおしえて」谷 瑞恵

「伯爵と妖精　涙の秘密をおしえて」谷 瑞恵
妖精と謀略とドキドキの英国風ファンタジー

伯爵と妖精 涙の秘密をおしえて (伯爵と妖精シリーズ) (コバルト文庫)

• 作者: 谷 瑞恵
• 出版社/メーカー: 集英社
• 発売日: 2006/03/31
• メディア: 文庫

読了日：2011.10.15
分　類：ライトノベル
ページ：284P
価　格：514円
発行日：2006年4月発行
出版社：集英社（コバルト文庫）
評　定：★★★＋


●作品データ●
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主人公 ：　リディア・カールトン
語り口 ：　３人称
ジャンル：　英国風ファンタジー
対　象 ：　ヤングアダルト向け
雰囲気 ：　少女漫画風
結　末 ：　少し淋しいけど解決
イラスト：　高星 麻子
装　丁 ：　織田 弥生
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【１００字紹介】
英国、ヴィクトリア朝時代が舞台のファンタジー・ライトノベル第７巻。
青騎士伯爵家付きのバンシーと、伯爵家の者の死を予言する
彼女の涙「燃えない琥珀」をめぐるお話。
百年前に現れた青騎士家の者の噂の真偽は…。


シリーズ７巻目。
前巻ラストで、「長期休暇」とスコットランドへ勝手に帰ってしまったリディアが、
実家に遊びに来た元海賊のロタとのんびり休暇を満喫しているところからスタート…、
のはずが彼女、気付いたら次々に送られてくるエドガーからの手紙を
思わず待ち侘びているような気がしてきます。
でも、エドガーのいないスコットランドでの、妖精たちとの暮らしは
とても心地よいものでもあり…複雑な心境の中、
「伯爵家のフェアリードクター」として、伯爵家のことを知るべきだ、
と感じていたリディアは、第１巻で訪れた宝剣の封印されていた伯爵家の領地、
メロウの土地・マナーン島へまた出掛けることにします。

その頃、ロンドンでは妖精画家のポールが、
琥珀の涙を流す、不思議な少女を拾っていました。

というわけで、「今回のゲストメンバー」は、
伯爵家の者の死を予言する「燃えない琥珀」の涙を流す妖精・バンシー。
前巻で、大公女だと判明した元海賊・ロタ。
…あれ、これくらいかな。

定番のキャラは。エドガー、リディア、ニコ、レイヴン、アーミン、ケルピー、
妖精画家のポール、カールトン教授、「朱い月」のスレイド。
敵方は宿敵・ユリシス、ユリシスのところの黒妖犬・ジミー。
ジミー、意外に出番多し。

そして第７巻のキーワードは、
「燃えない琥珀」「グラディス・アシェンバート」。


今回の「秘密の暴露」は…１００年前に現れたという、
青騎士伯爵家の者の話から、どうしてその人物は宝剣を受け取り、
英国王に謁見しなかったのか、とか、その人物はどうなり、
本物のアシェンバート家はどうなったのか？などでしょうか。
うん、毎回毎回、かなり重要な秘密が出てくるものですね。凄いなあ。

最近、「これは！」というラノベを読んでいなかったせいか、
このシリーズの安定感に、今更ながら気付きました。
そして安堵する自分がここに…。いや、いいですね。
描写は丁寧で、文章はしっとりと滑らか、不安感の少ないシリーズです。
どきどきはいっぱいですけどね！
前巻で、そろそろ飽きてきたかなーなんてちらっとでも思って、
ゴメンナサイと思いました。ええ。
たのしく続き、読ませて頂きたいと思っています。
イラストも可愛いし綺麗で、素敵ですよね。
文体に、とても合っていると思います。ナイス・チョイス。


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文章・描写 ：★★★＋
展開・結末 ：★★★＋
キャラクタ ：★★★
独　自　性 ：★★★＋
読　後　感 ：★★★＋
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菜の花の一押しキャラ…リディア・カールトン

「ところでトムキンス、結婚したことがあったよね？」
「はい。妻は十年前に亡くなりましたが」
「どうやって求婚した？」
「はあ、なにぶん昔のことであやふやですが、背びれのある子供なんて
　かわいいと思わないかとかなんとか言ったような。そうしたら妻は
　嬉しそうに同意してくれまして。結局息子に背びれはなかったのですがね」
「…まったく参考にならないよ」
「ですね」　　　　　　　　　　　　（エドガー＆トムキンス）