●「トコトン宇宙ロケットの本 第2版」的川泰宣

「トコトンやさしい宇宙ロケットの本 　第2版今日からモノ知りシリーズ」的川泰宣
ロケットの歴史やしくみなど、全体像を俯瞰

トコトンやさしい宇宙ロケットの本 (B&Tブックス―今日からモノ知りシリーズ)

• 作者: 的川 泰宣
• 出版社/メーカー: 日刊工業新聞社
• 発売日: 2011/04
• メディア: 単行本

読了日：2011.07.25
分　類：一般書
ページ：159P
価　格：1400円
発行日：2011年4月発行
出版社：日刊工業新聞社（B＆Tブックス）
評　定：★★★


●作品データ●
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テーマ ：　宇宙ロケット
語り口 ：　教科書調
ジャンル ：　一般書
対　象 ：　一般向け
雰囲気 ：　結構まにあっく
表紙イラスト ：　黒崎 玄
本文イラスト ：　榊原 唯幸
ブックデザイン ：　松倉 浩
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【１００字紹介】
小惑星探査機「はやぶさ」の帰還など、
話題を集めた新しいトピックを追加して改訂された第２版。
ロケットの歴史、推進剤やエンジンなど推進力を中心とした仕組みや制御の解説、
現在と未来の様々なロケットの紹介など


最近はまっています、「今日からモノ知りシリーズ」の「トコトンやさしい○○の本」。
最初がゴムで、次が風力発電でした。
今回3冊目、「宇宙ロケットの本」です。
宇宙ロケットといえば、はやぶさは超人気を博しましたね。
日本人の多くが、にわか宇宙技術マニアになりました。
え？それは菜の花の周りだけ？あれ？

一体、どんな話が読めるのかとわくわくと本を開きます。
第1章は「宇宙ロケットのあゆみ」。歴史ですね！それは重要ですね！
…と思ったら、あれ？え？1項目め、「初期のロケット」…、
最初にロケットを作り上げたのは中国人で、
最初に登場したのは「火箭（かせん）」。
…え、それって矢ですよね？武器ですよね？
18世紀末から19世紀はイギリス軍…って、
「2 ロケットの昔の工夫」に出てる写真はどうみてもミサイル～！
いや、宇宙目指してませんよね？ああ、でも宇宙ロケットではなく、
「初期のロケット」だからいいの？いや、でもそれってロケットなの？
ロケットって一体、何～！？
あっという間にH-II Bロケット打ち上げまで行っちゃってますし～。

で、第2章が「ロケットはなぜ飛ぶか」でいきなり力学などの原理のお話、
え、結局ロケットって、ロケットって～！！
でも、自分が今まで大きな勘違いをしていたことを知りました。
ああ、そうか、宇宙ロケットって運動量保存則で飛んでいたのですね。
別に何かを噴射することで、後ろの空気などをえいえいと押していたわけではなく、
噴射する物質とロケット本体の運動量が保存されるから、
それぞれ逆方向に進むと。あ、そうか…。凄い勘違い。
そりゃそうですよね。宇宙空間には押しやれる空気がないわけで。

…と、しみじみと思っていたらさくっと第3章「ロケットの推進剤」、
そして第4章「ロケット・エンジン」。
やたらと推進関係メインで話が多いかも、もしかして偏っていない？、
その辺が著者の専門分野？…と思いましたが、
考えてみるとこれを差し置いて他に大きくページを割くべき内容が
それほど思い浮かばなかったので、まあ、妥当なのかもしれません。
第5章では「ロケットの構造」、第6章では「ロケットを正確に飛ばすには」
というような別の技術系の話も入ってきますしね。


で、内容としては…序盤はそんなことはないのですが、
途中、やたらと横文字が～。
たとえば、姿勢制御の話のひとつ「40 「こま」式ジャイロスコープ」からのこんな文章。

シャフトに角速度入力を与えた場合、ローターは外部からトルクが作用しなければ
一定方向を保持しようとしますが、ジンバルからフレクチャを介してローターに
トルクが作用するため、ローターがプリセッションします。


…よ、横文字が…。最初に読んだとき、意味が理解できませんでした…。
理解力なくてすみません。今、文字を打ってようやく意味が分かったとか（遅い）。
まあ、確かに技術や物理用語ってやたら英語をそのままというのが多いので、
こういうものだ、といわれればそれまでですが、ちょっと敷居が高いのは確か。
その辺、若干辛かったですが（←頑張れ、物理学専攻の大学院出身者！）、
とりあえず今回も「へ～」を沢山拾いましたよ！
本当、先端技術って凄いなあ…。尊敬します、こういう研究者や技術者さん。

さて、次の「トコトンやさしい」は、「バイオガス」の予定です。


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文章・展開 ：★★＋
簡　潔　性 ：★★＋
学　術　性 ：★★★★
独　自　性 ：★★★★
読　後　感 ：★★★
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