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●「EUの知識 <第15版>」藤井 良広 [読書レポート]

「EUの知識 <第15版>」藤井 良広
最新のEU関連情報とその歴史を平易に解説


日経文庫 EUの知識 第15版

日経文庫 EUの知識 第15版

  • 作者: 藤井 良広
  • 出版社/メーカー: 日本経済新聞出版社
  • 発売日: 2010/07/16
  • メディア: 文庫

読了日:2011.03.28
分 類:一般書
ページ:244P
価 格:920円
発行日:2010年7月 第15版発行
出版社:日本経済新聞社(日経文庫)
評 定:★★★★


●作品データ●
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テーマ : EU(欧州連合)
語り口 : 解説
ジャンル : 一般書
対 象 : 一般向け
雰囲気 : 平易ながらも深め
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【100字紹介】
欧州憲法条約案の仏・蘭での国民投票での否決で
大きな曲がり角に立ったEUも、
2009年のリスボン条約発効で大きく変わった。
EUの仕組みや歴史、制度等の現状を、
金融危機などの最新情報満載で丁寧に解説する。



EU解説本の第15版です。
2005年発行の第14版も読んでいますが、それから本書、
2010年発行の第15版までの間には、大きな変化が訪れました。
憲法条約案がの仏・蘭での国民投票での否決され、
EUの将来が混迷の中に突入したところが2005年だったからです。
この岐路を何とかうまく通過して、2009年12月のリスボン条約発効に漕ぎ着けたわけです。
というわけで、14版に続き、第1章は「新段階に向かうEU」として、
リスボン条約によってもたらされた変化のために40ページほどを費やしています。

こうして時事を冒頭に取り込むことで、読者の興味をひくのと同時に、
前版からの読者に対して、前版の頃からEUがどう変わったのか、という
一番知りたい情報を真っ先に提供してくれています。


構成自体は前版と同じで、1章のこの時事問題のあと、
初心者でも安心な丁寧な文章で、EU機関(第2章)やEUの歴史(第4章)、
EUの政策(第5章)、外交関係(第6章)を解説。
ただ、第3章はちょっと毛色が違っていて、EU経済というくくりで、
金融政策やユーロの話と一緒に、金融危機の影響、
ソブリン・リスクの問題などの最新情報も取り上げています。
前版からの読者は多分、第1章とこの第3章を読めば、
大体のところがつかめるのではないかと。


版を重ねているだけあって、全体によくこなれていますし、
初心者が広範なEUの基礎知識を仕入れるには最適な本。
更には時事もうまく取り込んでくれていますので、
中級者にも嬉しい構成です。
これまでの版、順番に読んでいくと非常に勉強になるのでは…という気がしています。


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文章・展開 :★★★★
簡 潔 性 :★★★+
学 術 性 :★★★★
独 自 性 :★★★★
読 後 感 :★★★+
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