●「食べモノの道理」佐藤 達夫 [読書レポート]
「食べモノの道理 まことしやかな健康情報に惑わされないために」佐藤 達夫
自由や豊かさは本当に人を幸せにするのか?
読了日:2011.03.27
分 類:一般書
ページ:207P
価 格:1300円
発行日:2010年11月発行
出版社:じゃこめてい出版社
評 定:★★★★
●作品データ●
---------------
テーマ : 食品
語り口 : 一人称的(私)
ジャンル : 一般書、エッセイ
対 象 : 一般向け
雰囲気 : 論理的な文章を目指す
イラスト : 松本 剛
---------------
【100字紹介】
非科学的な食べ物情報・健康情報が蔓延する昨今、
うっかり信じると高く、ムダなものを買わされるばかりか、
むしろ健康を害してしまう恐れも。
情報を鵜呑みにせず、論理的に考えることで
健康的な食生活を送りましょう
科学的根拠も無いのに流布してしまっている、
食品に関するあんなことやこんなことを指摘する本。
たとえば、「コラーゲンを食べてもお肌はツルツルにならない」
という項目がありました。
これは菜の花も前々から世間一般の流れに疑問を持っていたところ。
コラーゲンは何由来のどんな形のものであっても、
コラーゲンそのものの形で体の中に吸収されたりはしません。
当然、消化の段階でアミノ酸レベルに分解されて吸収され、
新たなタンパク質として再構成されるわけです。
そのときにコラーゲン由来だからといって、
コラーゲンになるとはまったくもって限らないわけで。
まあ、そもそもアミノ酸不足で肌荒れしている人ならば、
原料供給がされるので少しはコラーゲン生成に回るでしょうけれども。
食べたものが消化液でアミノ酸まで分解されて吸収されますよ、ということは、
中学理科でもちゃんと習います。菜の花、塾講師して教えてましたもの。
でもこれ、周りを見回すと結構、誤解されている大人が沢山います。
こういう、ある意味当たり前なことなのに、
誤解されているような「あるある!」に出会える本です。
それにしても「フィンランドショック」には、ショックを受けました。
これは、緑黄色野菜が肺がんを抑制する、という実験結果から、
β-カロテンが肺がんに効果があるに違いない、として
フィンランドで1990年代に行なわれた、大規模な実験結果だそうです。
男性喫煙者2万9千人に、β-カロテンまたは偽薬を長期にわたって投与し
肺がん発生率を比べるというもの。
結果は、β-カロテン投与グループの方が有意に高くなってしまい、
人為的にがんを発生させてしまうということで、
実験は途中で打ち切りになったとか。
つまり、緑黄色野菜を食べる場合は肺がん発生率が下がるのに、
β-カロテン単体を摂り続けると、むしろ発生率が上がると。
いや、そういうことがある、というのは聞き知っていましたが、
実験結果ではっきり出ているデータは、知らなかったもので。
もちろん、これだけでサプリメントは危険、とかそういうことは言えません。
何が効いたかはわかりませんからね。合成β-カロテンだったのがいけなかったのか、
β-カロテンと一緒に何かが投与されてしまったとか(錠剤だか、
カプセルだか知りませんが、そういうものに仕立てるために入った物質とか)、
または過剰投与がいけなかったとか…、、、考えられる要因は沢山あるでしょう。
たまに行きすぎだったり何が言いたいか謎の展開になることもありますし、
著者の意見に全面同意はできないなあ、と思うところもありますけれども、
それでも「気付き」のためには広く一般に読まれると良いかな、と思う1冊です。
きっと「はっ」として、食品へのまなざしが変わるのではないかと。
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文章・展開 :★★★★★
簡 潔 性 :★★★★★
学 術 性 :★★★+★
独 自 性 :★★★★★
読 後 感 :★★★★★
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自由や豊かさは本当に人を幸せにするのか?
読了日:2011.03.27
分 類:一般書
ページ:207P
価 格:1300円
発行日:2010年11月発行
出版社:じゃこめてい出版社
評 定:★★★★
●作品データ●
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テーマ : 食品
語り口 : 一人称的(私)
ジャンル : 一般書、エッセイ
対 象 : 一般向け
雰囲気 : 論理的な文章を目指す
イラスト : 松本 剛
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【100字紹介】
非科学的な食べ物情報・健康情報が蔓延する昨今、
うっかり信じると高く、ムダなものを買わされるばかりか、
むしろ健康を害してしまう恐れも。
情報を鵜呑みにせず、論理的に考えることで
健康的な食生活を送りましょう
科学的根拠も無いのに流布してしまっている、
食品に関するあんなことやこんなことを指摘する本。
たとえば、「コラーゲンを食べてもお肌はツルツルにならない」
という項目がありました。
これは菜の花も前々から世間一般の流れに疑問を持っていたところ。
コラーゲンは何由来のどんな形のものであっても、
コラーゲンそのものの形で体の中に吸収されたりはしません。
当然、消化の段階でアミノ酸レベルに分解されて吸収され、
新たなタンパク質として再構成されるわけです。
そのときにコラーゲン由来だからといって、
コラーゲンになるとはまったくもって限らないわけで。
まあ、そもそもアミノ酸不足で肌荒れしている人ならば、
原料供給がされるので少しはコラーゲン生成に回るでしょうけれども。
食べたものが消化液でアミノ酸まで分解されて吸収されますよ、ということは、
中学理科でもちゃんと習います。菜の花、塾講師して教えてましたもの。
でもこれ、周りを見回すと結構、誤解されている大人が沢山います。
こういう、ある意味当たり前なことなのに、
誤解されているような「あるある!」に出会える本です。
それにしても「フィンランドショック」には、ショックを受けました。
これは、緑黄色野菜が肺がんを抑制する、という実験結果から、
β-カロテンが肺がんに効果があるに違いない、として
フィンランドで1990年代に行なわれた、大規模な実験結果だそうです。
男性喫煙者2万9千人に、β-カロテンまたは偽薬を長期にわたって投与し
肺がん発生率を比べるというもの。
結果は、β-カロテン投与グループの方が有意に高くなってしまい、
人為的にがんを発生させてしまうということで、
実験は途中で打ち切りになったとか。
つまり、緑黄色野菜を食べる場合は肺がん発生率が下がるのに、
β-カロテン単体を摂り続けると、むしろ発生率が上がると。
いや、そういうことがある、というのは聞き知っていましたが、
実験結果ではっきり出ているデータは、知らなかったもので。
もちろん、これだけでサプリメントは危険、とかそういうことは言えません。
何が効いたかはわかりませんからね。合成β-カロテンだったのがいけなかったのか、
β-カロテンと一緒に何かが投与されてしまったとか(錠剤だか、
カプセルだか知りませんが、そういうものに仕立てるために入った物質とか)、
または過剰投与がいけなかったとか…、、、考えられる要因は沢山あるでしょう。
たまに行きすぎだったり何が言いたいか謎の展開になることもありますし、
著者の意見に全面同意はできないなあ、と思うところもありますけれども、
それでも「気付き」のためには広く一般に読まれると良いかな、と思う1冊です。
きっと「はっ」として、食品へのまなざしが変わるのではないかと。
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文章・展開 :★★★★★
簡 潔 性 :★★★★★
学 術 性 :★★★+★
独 自 性 :★★★★★
読 後 感 :★★★★★
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