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●「シングル女性の未来予想図」和泉 昭子 [読書レポート]

●「シングル女性の未来予想図」和泉 昭子
「シングル女性の未来予想図」和泉 昭子
結婚しない人にも、したい人にも大事なお話


シングル女性の未来予想図 (ヴィレッジブックス+)

シングル女性の未来予想図 (ヴィレッジブックス+)

  • 作者: 和泉 昭子
  • 出版社/メーカー: ソニーマガジンズ
  • 発売日: 2006/06
  • メディア: 文庫


読了日:2013.11.16
分 類:一般書
ページ:160P
価 格:600円
発行日:2006年6月発行
出版社:ソニーマガジンズ(ヴィレッジブックス)
評 定:★★★★


●作品データ●
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テーマ : シングル女性の生き方
語り口 : 一人称(私)
ジャンル: 一般書
対 象 : 20~30代の独身女性向け
雰囲気 : エッセイ風
イラストレーション : SMO
ブックデザイン : 鈴木成一デザイン室
---------------

【100字紹介】
このまま単身だったら、老後にはいくら必要?
…気になっても目を逸らしてしまいがちなことを掘り起こし、
楽観的でも悲観的でもない予測と、そのために「今」何をすべきか…
現実を見つめ、すぐに役立つ提案を貴女に。



プロローグの1文目。
「このまま一生シングルだったら、どうなっちゃうんでしょう」

何が、どうなのか…?、とても漠然とした疑問です。
でも確かにそんな感じ。何だか色々、諸々。
その後に続く「本音」も、妙に納得すると申しますか。
もしもこのプロローグの内容に、がっつりうなずいてしまう人は、
この本を読むことをおすすめします。
そんなに厚くもなく、お手軽に読めますし。


本編は。
もしもこのまま結婚しなかったら…、
「第1章 お金―これからいくら必要なの?」から始まり、
「第2章 仕事―将来までずっと働くことはできる?」、
「第3章 家―買うべき?借りるべき?」
「第4章 健康―自分や家族のイザ!というときのために」の4章構成。

気になっていても、特に「結婚は、できればしたいけどね」という
消極的シングルだとなおさら目を逸らしてしまいがちなことを、
ざくざくと掘り起こしてくれます。
楽観的でも悲観的でもない予測と、「そのためには今、何をすべきなのか」という、
すぐに現実で役立つ提案も複数用意されています。
もちろん、偏りはありますが。
「第1章 お金」では、どれくらいの金額が必要なのか、足りないなら今、
こんな方法で利殖しては、というファイナンシャルプランナーだという
著者らしい提案が展開されます。
「第2章」は、結婚していてもしていなくても、やっぱりこれからの女性は
働き続けざるを得ない、ということを解説した上で、
特にばりばり働いて生活費を稼がなくてはいけないシングルの場合は、
たとえ今が不安定雇用でも、転職をしてキャリアアップを、など。
これも転職を繰り返して今の職に行き着いた著者ならでは。

「第3章」では究極の命題、「家を買うべきか、借りるべきか?」ですが、
結局結論は出ません。どちらにも良い点悪い点があるから、
個人個人で何を重視するか、が大事、という話に。
ちなみに著者は、自分の家を買うことで「根を張った生活をする」という
希望があったため、購入したそうです。なるほど、そういう考え方。
この章では特に、著者自身の「経験」にはっとさせられました。
結婚し、子どもを持った友人を訪ねた著者が羨ましかったのは、
ステキな旦那様をつかまえたことでも、かわいい子どもに恵まれたことでもなく、
きちんとした生活設計をもとに、揺らぎのない日々を送っていたこと。
かえりみて我が身は、すべての考えが「結婚したら」の仮定のもとに進んでいた、
ということに気付くのです。

結婚したら広い家に引っ越そう。オシャレな食器を揃えよう。
引き出物でもらった花瓶も大活躍だわ…。そんなイメージをふくらませている一方で、
目に入るのはワンルームにちまっと置かれた安物の家具、
いまひとつ気に入らないカーテンたち。「どうせ結婚するまでだから、とりあえず」と、
適当に選んでいたのです。   (本文より)


そこまで極端ではないけれど、分かる気はします。
いつか結婚したらこれは買い換えるだろうな、要らないだろうな、
というものは、そんなにしっかりしたものでなくてもいいか、と
やっぱり無意識に考えるものです。著者は、それはシングルだからいけないのではなく、
「とりあえず」という考え方の方が問題なのだ、と言います。なるほど。

ところで「借りる」派は、老齢になると家を借りられなくなるのでは、という不安があるわけですが、
それについては3章冒頭で否定してくれています。最近、特によく聞くようになった、
住宅が余っている、という問題があるため、貸し渋りはなくなっていくだろう、
という予測です。それなら安心して「買う or 借りる」を自分の価値観だけで
選ぶことができそうですね。

また、老後は身の回りの補助も受けられる老人ホームも視野に入れています。
シングルだと、老後に介助されることも自分で考えておかないといけないわけですが、
それはたとえ配偶者がいても、今の世の中だと同じことなのかもしれません。
老後が寂しいからお見合いに励む、と言った友人に、
夫を早めに亡くしていて子ども達は独立していて、
独り暮らしの老後を送る著者自身の母の姿を思い浮かべ、
「女性は、結婚してもしなくても最後はひとりで暮らす可能性が高い」と
冷静に考え、「二人でいて寂しいくらいなら、一人でいるほうがマシ」という
友人の言葉を思い出し、結婚していようといまいと、
どうしたら明るく過ごせるか?と前向きに考えていく著者に、励まされます。
人生、自分でダメ出ししたら駄目ですよね。
どんな状況にあっても幸せな人は幸せになれるし、
そうでないひとはずっと不幸せなのです。


本書は結婚を希望している人も含めた独身者だけでなく、
既婚者にもお役立ちな情報かな、と思いました。


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文章・展開 : ★★★★
簡 潔 性 : ★★★★
学 術 性 : ★★★
独 自 性 : ★★★★★
読 後 感 : ★★★★
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