●「少年陰陽師 願いの証に思い成せ」結城 光流 [読書レポート]
「少年陰陽師 願いの証に思い成せ」結城 光流
安倍晴明の孫昌浩の活躍！シリーズ第３４巻
読了日：2012.08.31
分 類：ライトノベル
ページ：237P
価 格：514円
発行日：2011年10月発行
出版社：角川ビーンズ文庫
評 定：★★★
●作品データ●
----------------------------
主人公 ： 安倍 昌浩ほか
語り口 ： ３人称
ジャンル ： ライトノベル
対 象 ： ヤングアダルト向け
雰囲気 ： 歴史オカルト
結 末 ： 次巻に続く
イラスト ： あさぎ桜
デザイン ： 須貝 美華
---------------------------
【１００字紹介】
稀代の陰陽師の孫で後継者と目される、
未だ半人前の修行中陰陽師・安倍昌浩が主人公のシリーズ。
＜籠目編＞第４作。都を落ち延びた昌浩と小野蛍は、
氷知の案内で神祓衆の隠れ郷へ。
蛍の過去が、ついに明かされる…。
シリーズ第３４巻です。＜籠目編＞としては第４作。
まだ逃亡中。というか、逃亡先に到着？
蛍の属する神祓衆（かんばらしゅう）の郷を目指していた昌浩と蛍、
それに付き従うもっくん、勾陣。
彼らは蛍の兄の現影（みかげ）である氷知（ひじり）の案内で
途中、襲撃を受けつつも神祓衆の隠れ郷へ。
そこで様々な事情を聞いた昌浩でしたが、病に倒れます。
一方、伊勢では晴明、風音たちが、
都では未だ疫鬼と戦う成親や敏次らが、
昌浩も目撃した「歩障の雲」が月にかかっているのを見ます。
后を表す月を、葬列を示す歩障雲が挟むこの凶相の中、
皇后定子が呪いと言われる病の中、第3子の出産に臨むのでした。
という感じで、ひたすら繰り返し繰り返し現れる歩障雲エピソード。
それに加えて、定子の長女・脩子の意味深な夢と態度、
全体に渦巻く不安感などなど、ひたすらバッドエンドへの布石ばかり。
そして史実通りの結末…。
最初から見えているゴールへ、ちょっとしつこいくらい繰り返し、
そして緩やかに向かっていく、という感じ。
凄い盛り上げよう…著者はそんなにこの人が大好き！？というくらい。
今まで、ここまでじっくりねっとりと盛り上げた場面ってありましたっけ！？
さて、今回は蛍の過去が明らかになりました。
それに神祓衆のことも少し。
まだ完全にネタばらしされていない…というか、
多分蛍も勘違いしている状況っぽいのですが、
とりあえず分かったことがあります。
蛍、良い子じゃん。夕霧、一方通行じゃなくて良かったねえ。
…ということですかね。
あ、それから思ったより神祓衆が紳士的で筋を通している、
とうことも分かりましたね。何だか突然やってきて、
婚約とか何言い出しているの！？…という登場だったのに、
裏ではこんなじっくり待っていたとは。
手法も必ずしも強引ではないですし。
というか、このひとつ前の天狗のみなさまに比べて、何と理性的。
さすが、人間の集団…と評価すべきでしょうか。
と言いつつ、人間の弱さ、脆さがはっきりと出た巻でもありました。
脩子は子どもだから仕方ないとして、
しっかりしろよー、一条天皇！と思った人も多いはず。
彰子はそんなに悪いとは思えないのですけれども、
すっかり悪者になってしまいました。うーん、そんなに責めなくても。
どちらかというととばっちりという感じがするのですが。
だって言霊でそれが本当になるなら何度でも、
「きっと治ります、信じましょう」と言った方がよくない？と。
いや、まあこの時代の陰陽師ってどちらかというと世渡りが大切で、
口は災いの元、みたいな感じがありそうなので、
素直に口に出すのは駄目なのかもしれません。
とりあえず、彰子も頑張れー。
蛍も頑張れー。
昌浩も頑張れー。
かみさま、ほとけさま、さくしゃさま。
みんなが笑って終われる大団円、希望です。
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文章・描写 ：★★★
展開・結末 ：★★★
キャラクタ ：★★★★
独 自 性 ：★★★★
読 後 感 ：★★★
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菜の花の一押しキャラ…小野 蛍
「怖い夢見たなら、ちゃんと食って体力つけて、
次に見たときに夢をぶっとばしてやれ！」 （竜鬼）
安倍晴明の孫昌浩の活躍！シリーズ第３４巻
- 作者: 結城 光流
- 出版社/メーカー: 角川書店(角川グループパブリッシング)
- 発売日: 2011/09/30
- メディア: 文庫
読了日：2012.08.31
分 類：ライトノベル
ページ：237P
価 格：514円
発行日：2011年10月発行
出版社：角川ビーンズ文庫
評 定：★★★
●作品データ●
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主人公 ： 安倍 昌浩ほか
語り口 ： ３人称
ジャンル ： ライトノベル
対 象 ： ヤングアダルト向け
雰囲気 ： 歴史オカルト
結 末 ： 次巻に続く
イラスト ： あさぎ桜
デザイン ： 須貝 美華
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【１００字紹介】
稀代の陰陽師の孫で後継者と目される、
未だ半人前の修行中陰陽師・安倍昌浩が主人公のシリーズ。
＜籠目編＞第４作。都を落ち延びた昌浩と小野蛍は、
氷知の案内で神祓衆の隠れ郷へ。
蛍の過去が、ついに明かされる…。
シリーズ第３４巻です。＜籠目編＞としては第４作。
まだ逃亡中。というか、逃亡先に到着？
蛍の属する神祓衆（かんばらしゅう）の郷を目指していた昌浩と蛍、
それに付き従うもっくん、勾陣。
彼らは蛍の兄の現影（みかげ）である氷知（ひじり）の案内で
途中、襲撃を受けつつも神祓衆の隠れ郷へ。
そこで様々な事情を聞いた昌浩でしたが、病に倒れます。
一方、伊勢では晴明、風音たちが、
都では未だ疫鬼と戦う成親や敏次らが、
昌浩も目撃した「歩障の雲」が月にかかっているのを見ます。
后を表す月を、葬列を示す歩障雲が挟むこの凶相の中、
皇后定子が呪いと言われる病の中、第3子の出産に臨むのでした。
という感じで、ひたすら繰り返し繰り返し現れる歩障雲エピソード。
それに加えて、定子の長女・脩子の意味深な夢と態度、
全体に渦巻く不安感などなど、ひたすらバッドエンドへの布石ばかり。
そして史実通りの結末…。
最初から見えているゴールへ、ちょっとしつこいくらい繰り返し、
そして緩やかに向かっていく、という感じ。
凄い盛り上げよう…著者はそんなにこの人が大好き！？というくらい。
今まで、ここまでじっくりねっとりと盛り上げた場面ってありましたっけ！？
さて、今回は蛍の過去が明らかになりました。
それに神祓衆のことも少し。
まだ完全にネタばらしされていない…というか、
多分蛍も勘違いしている状況っぽいのですが、
とりあえず分かったことがあります。
蛍、良い子じゃん。夕霧、一方通行じゃなくて良かったねえ。
…ということですかね。
あ、それから思ったより神祓衆が紳士的で筋を通している、
とうことも分かりましたね。何だか突然やってきて、
婚約とか何言い出しているの！？…という登場だったのに、
裏ではこんなじっくり待っていたとは。
手法も必ずしも強引ではないですし。
というか、このひとつ前の天狗のみなさまに比べて、何と理性的。
さすが、人間の集団…と評価すべきでしょうか。
と言いつつ、人間の弱さ、脆さがはっきりと出た巻でもありました。
脩子は子どもだから仕方ないとして、
しっかりしろよー、一条天皇！と思った人も多いはず。
彰子はそんなに悪いとは思えないのですけれども、
すっかり悪者になってしまいました。うーん、そんなに責めなくても。
どちらかというととばっちりという感じがするのですが。
だって言霊でそれが本当になるなら何度でも、
「きっと治ります、信じましょう」と言った方がよくない？と。
いや、まあこの時代の陰陽師ってどちらかというと世渡りが大切で、
口は災いの元、みたいな感じがありそうなので、
素直に口に出すのは駄目なのかもしれません。
とりあえず、彰子も頑張れー。
蛍も頑張れー。
昌浩も頑張れー。
かみさま、ほとけさま、さくしゃさま。
みんなが笑って終われる大団円、希望です。
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文章・描写 ：★★★
展開・結末 ：★★★
キャラクタ ：★★★★
独 自 性 ：★★★★
読 後 感 ：★★★
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菜の花の一押しキャラ…小野 蛍
「怖い夢見たなら、ちゃんと食って体力つけて、
次に見たときに夢をぶっとばしてやれ！」 （竜鬼）
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