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●「伯爵と妖精 運命の赤い糸を信じますか?」谷 瑞恵 [読書レポート]

「伯爵と妖精 運命の赤い糸を信じますか?」谷 瑞恵
妖精と謀略とドキドキの英国風ファンタジー


伯爵と妖精 運命の赤い糸を信じますか? (伯爵と妖精シリーズ) (コバルト文庫)

伯爵と妖精 運命の赤い糸を信じますか? (伯爵と妖精シリーズ) (コバルト文庫)

  • 作者: 谷 瑞恵
  • 出版社/メーカー: 集英社
  • 発売日: 2008/08/01
  • メディア: 文庫


読了日:2012.05.19
分 類:ライトノベル
ページ:248P
価 格:476円
発行日:2008年8月発行
出版社:集英社(コバルト文庫)
評 定:★★★+


●作品データ●
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主人公 : リディア・カールトン
      エドガー・アシェンバート
語り口 : 3人称
ジャンル: 英国風ファンタジー
対 象 : ヤングアダルト向け
雰囲気 : 少女漫画風
結 末 : 一話完結
イラスト: 高星 麻子
装 丁 : 織田 弥生
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【100字紹介】
英国、ヴィクトリア朝時代が舞台のファンタジー・ライトノベル第15巻。
エドガーとリディアの婚約中の事件を描く3編を収録した短編集。
妖精からの不思議な婚約プレゼント、運命の赤い糸事件、鎧と衣装と決闘のお話



シリーズ15巻目。短編集です。

●不思議な贈り物と従者の受難
婚約発表をしてからのアシェンバート伯爵の屋敷には、
妖精からの不思議な「婚約祝い」の贈り物が時々届く。
季節はずれの葉実、減らないバターやはちみつ、蜘蛛の糸で編んだテーブルクロスや
朝露をつないだネックレス、翌日には葉っぱに変わる金貨。
その日届いたのは「使用禁止」と書かれた種だった。
それを植えたレイヴンの身に、起こったのは…。

タイトル通り、レイヴンの受難のお話。
あやうく、腕を切り落とすところですよ、レイヴン!気をつけてー!
レイヴンの「召使い裏側」生活も垣間見られたのが、
事件続きの本編とは違う「日常」が感じられました。
戦いの中ではとても頼れるレイヴン、でもちょっと普通じゃないレイヴン、
普段はどんなことになっているのか、ちょっと気になりますよね。
「セイルズ夫人」もなかなか面白いキャラでした。再登場に期待。


●運命の赤い糸を信じますか?
先ごろ亡くなったグローサー卿の息子の守護妖精
「妖精の名付け親(フェアリーゴッドマザー)」が
リディアとロタに一時的に赤い糸が見られるように魔法をかけた。
2人はエドガーの指に複数の赤い糸が束になっているのを見て驚く。
そこへ何とリディアと繋がる赤い糸を持つグローサー卿の息子がやってきた!

これもリディア&エドガーが婚約中のお話。
でも何とびっくり、エドガーには複数の赤い糸があるし、
リディアはリディアで別の人と赤い糸が繋がっている…!
という、一大事なエピソード。
それにしてもフェアリーゴッドマザー、おっちょこちょいです。
何だか「紳士の射止めかた教えます」に登場した、
恋の歌を唄う、小さな半透明の妖精・ナイチンゲールに似ていますね。


●リボンは勝負のドレスコード
リディアの部屋に突如、謎の甲冑男が現れて、
彼女は前世で自分と恋人同士だった姫君だと言い出し、
嫁入り道具を揃えていた彼女の部屋から、
こともあろうにナイトウェアを盗んでいってしまった!
質素をよしとされるナイトウェアに、
こっそりリボンを縫いつけていたリディアは大慌て。
しかも、うっかりオペラ会場で鉢合わせたエドガーと甲冑男が
決闘と言い出す始末。

ケルピー、久々な気がします。気がするだけでしょうか。
母親や、祖母を早くに亡くしていて、親しい女性親族のいないリディアは、
色々なことを聞くことが出来なくて、本当に大変そう。
彼女の苦労話は、結構リアリティがあるなあ、と。
このシリーズでは、そういう等身大なキャラが良いですね。


それから、今回もイラストがとても繊細で素敵でした。
とってもこの世界観にあっているなあ、と思います。


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文章・描写 :★★★★
展開・結末 :★★★★
キャラクタ :★★★★
独 自 性 :★★★★
読 後 感 :★★★★
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菜の花の一押しキャラ…エドガー・アシェンバート

「姫君、おわかりでしょう。あなたの夫になる男は、強欲で非道な悪魔です」
「そ、それほどでもないと思うけど…」
「否定しないのかよ」      (甲冑男、リディア・カールトン、ニコ)


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