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●「機械工学のキホン」小峯 龍男 [読書レポート]

「機械工学のキホン イチバンやさしい理工系」小峯 龍男
機械工学は日常生活に密着する基本的なもの


「機械工学」のキホン (イチバンやさしい理工系)

「機械工学」のキホン (イチバンやさしい理工系)

  • 作者: 小峯 龍男
  • 出版社/メーカー: ソフトバンククリエイティブ
  • 発売日: 2010/05/19
  • メディア: 単行本


読了日:2011.06.02
分 類:一般書
ページ:206P
価 格:1500円
発行日:2010年5月発行
出版社:PHP研究所(PHP新書)
評 定:★★+


●作品データ●
---------------
テーマ: 機械工学
語り口: 教科書調
ジャンル: 一般書
対 象: 一般向け
雰囲気: 明るい
アートディレクター: 坂本 紀子
カバーイラスト: 野辺 ハヤト
本文イラスト: 近藤 久博
---------------

【100字紹介】
もっともつぶしがきく分野と言われる機械工学。
新しい機械を発想し、形にしていくこの学問と技術は、
日常生活に欠くことのできない様々な道具のしくみを教えてくれます。
私達の生活を支える機械工学の面白さを解説。



「イチバンやさしい理工系」シリーズの1冊。
著者は高校教員。きっと高校生でも分かる内容で教えてくれるはず、
と手にとってみました。

オールカラーで、左側ページが文章、右側ページが図解。
章ごとに基調となる色が異なっていて、
とても綺麗で明るいポップな本になっています。

内容はこんな感じ。

第1章 家の中の機械を考える
 (電気ポット、洗濯機、火災報知機、ヒートポンプとしてエアコン・冷蔵庫)

第2章 町を歩いて機械を考えよう
 (電動アシスト自転車、自動ドア、レール、線路・路面、エレベータ、自動水栓)

第3章 機械の仕事としくみ
 (自転車を題材に、ブレーキ、力のかかり方、構造など)

第4章 スクータのCVTとバイクの中身
 (小型スクータの変速機、小型オートバイのエンジン)

第5章 機械のコミュニケーションは図面から
 (製図。透視図、陰影法、第三角法投影図、斜投影図、断面図ほか)

第6章 機械で扱う力を考えよう
 (高校レベルの力学)

第7章 モノのつくり方と材料
 (加工方法として転造、鍛造、溶接、旋盤、歯切り法、鋳造、圧延・引き抜き・押し出し、
 研削・超音波、材料としてファインセラミックス、ステンレス、アルマイトなど)

第8章 動く機械のしくみを考える
 (カム、ねじ、歯車、遊星歯車、ベルトとチェーン、クラッチ、ブレーキ、CVT、リンク)


何だか色々取り上げています。特に第1章・第2章では身近な例を挙げて、
丁寧に説明がされていて、あ、そうだったのか、機械工学ってこんなに
私達のすぐ隣にいたのですね、と、読者を引き込む構成です。
レベルとしては、簡単なものから、ちょっと頭を使うかな、くらいまで。
それほど前提知識は必要とはしません。
若干、考え込めば、図があるので何とか。

が、これが第3章・第4章でちょっと雲行きがあやしく。
いきなり物理っぽくなります。数式が出てきたり。
でもまあ、これでも一応、理学部で物理学を専攻した身、
何とか頑張ってついていきますが…、、、
作図で力を求める話まで到達したところで、
段々何を読んでいるか分からなくなってきました。
いや、書いてあることは分かります。
でもこの本の前半と、向かっている方向が同じだと思えなくて。
この本の趣旨と、対象者が読み始めのときに感じたものと
大分違ってきているように感じるのですが…いや、まあいいです。
高校の先生が書いた本ですもの、教科書っぽくなるのはやむを得ないですし、
タイトルだって「機械工学のキホン」だから教科書なのは当然で…、
でも、いまいちゴールが見えない…。
そして第4章に入って、どんどん方向性が分からなくなってきます。
キホン、なのですよね?
きっと工学の人なら当たり前の部品の名前でしょうが、
何だかよく知らない単語が説明なくどんどん出てきて、
図も写真は出てくるものの、それがどういう動きをして、
というのがちっとも伝わってこないし、意味も分からないし、
読んでも理解できないし、面白くないページが続きます。

第5章では仕切り直しで、製図の話。
機械工学に製図は重要。懐かしく、楽しく読みました。
でもここまでの話との繋がりは不明。

第6章は高校レベルの力学の話。いや、懐かしいですよ?
でも、他の章との繋がりは?

第7章が個人的には一番興味深かったです。材料工学、でしょうか。
部品の作り方と、材料についての簡易な説明。「へー」がいっぱい。

そして第8章に部品ごとに動きなどを取り上げています。
あの、何故これが第8章に?この話が第4章より前にいれば、
まだ理解できたものもあったかもしれませんのに。


まとめれば、内容としては面白いです。
要望としては、各章のつながりと目的をはっきりさせ、
すっきり整理して下さると嬉しいなあ、ということですね。
実物写真もいいですけれども、知らない人にとっては、
それだけではあまり有益な情報にはならないのだなあ、
ということを実感してしまいました。
自分で資料を作るときも、気をつけたいと思います。


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文章・展開 :★★★★★
簡 潔 性 :★★★★★
学 術 性 :★★★★
独 自 性 :★★★★
読 後 感 :★★★★★
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