学会支部の討論会

今日は真面目に学会支部の討論会を見に行きました。

【１．反省したこと。】
発表者さんが思いっきり間違ったことを言っていたのです。
うお、それは違う！と思ってしまったのですが、
Ｉｎｔｒｏｄｕｃｔｉｏｎで、しかも動機みたいな部分だったので、
特に研究のＲｅｓｕｌｔには問題ないだろうと思って黙っていたのです。
ところが質疑応答のときに、ある質問に対して、その部分を根拠に持ってきたのです！
だーかーらー！違ーう！
思わず挙手して、手を振る菜の花。
他に同じように手を揚げている質問者が３名くらい。
いやしかしこれは何が何でも！
前の質問者の手から、マイクをひったくる菜の花。
もはや実力行使でコメントする権利を奪取。

まくし立てる菜の花。
固まる発表者。
静寂に支配された会場。
呆然とこちらを見ている座長の教授。

…フォロー、忘れました。まるで研究を全否定されたかのような雰囲気。

３０秒くらい、重い沈黙のあとに「勉強不足でした」と呟く発表者。
ごめん、そんなつもりじゃ…いや、そんなつもりなんだけど！
ってゆーかね、君ねえ、去年の学会のときに同じ試料で発表していたでしょう！
そのときにも「やばい、勉強不足だ！」と気付いた菜の花が、
学会から帰ったあとに山ほど関連Ｒｅｖｉｅｗを送りつけたじゃないですか！
何故、１年たってまだ菜の花に指摘されてるわけ！
まだ若い、工学部の院生さんですが、１度ならず２度までも…！な思いで、
思いっきり聴衆の前で「それは存在しない」と明言してしまった
（いや事実、ないんですけど。その現象が起こらない、というよりも
その現象を起こす物質自体を持っていない、という意味で。）、
しかもフォローの言葉なく、というのはちょっと酷いかなーと反省。
凹み気味・菜の花。
うちの助手氏には「これくらいのところで、がつんと言ってやれば、
院生としては丁度いい勉強になるから」と励まされたのですが…いやはや申し訳なし。

【２．驚いたこと】
討論会のお昼休憩のあとにのんびり会場に戻った菜の花。
会場の外、窓際でケータイかけている若者発見。
何気に通り過ぎて会場に入ろうとしたら…。
何とその人が手を振って近づいてくる。
「ごめん、またあとで」
なんて、わざわざケータイを切りながら。
誰だ。誰だ。誰だー。君は一体、誰だ？
「お久し振りです。」
声をかけられても確信が持てない。でも多分、あの子だあの子！
学食でバイトしていたときの後輩。
菜の花よりあとに入って、菜の花より先にやめていった人（笑）。
菜の花が大学院に入学したときに、学部生として入学してきた子です。
確か、工学部。その彼が何故、こんな化学科の建物に？
（討論会の会場は化学科の建物だった。）
「君、何してるの？」
「勿論、聴きにきたんですよー」
おお、何と。というか、驚きですねえ。
初めて会った頃は、まだ入学したてで、基礎科目しかやってなかったのに。
いつの間にこんな専門的な話を聞きに来れるほど成長したのか。
「いや、専門的過ぎて分からないのですけどねー」
などと言いつつ、つい先日の応用物理学会（略して応物）で
発表してきたというじゃありませんか。
うわあああ、君のその成長振り、お姉さんは嬉しいですよ。うるうる。
いや、ほんとに弟御くらいの歳なんですよね、彼は。
というか、菜の花の本当の弟御よりも更に１つ年下ですが。
しかし、懐かしい！色々と近況など話しつつ、研究の話もちらりと。
またあとで、彼のサイトにお邪魔しようかなーと思っています。
そう、たまにサイトのＢＢＳでは話すのですけどねー。
お会いしたのは２年ぶりくらいかな。

【３．見直したこと】
学部時代の同期で（しかも隣の研究室）、今は医学部の院にいる人にも
久々にお会いしました。彼には散々、飲み会後に迷惑をかけられたので、
いつも避けるようにしていたのですが（そうすると今度は「俺のこと、嫌いやろ？」
と言い出し「何で嫌いなのー？」とまとわり付いてくるのです。そのしつこさゆえですよ！
別に嫌いではなかったのですが、実害があるので避けていただけなのです）、
そんな彼の発表を聞いて、めちゃめちゃ見直しましたね。
卒論のころとは格が違う、という感じ。まあ、内容的には当然ですけど、
それだけじゃなく、プレゼンテーションの仕方とか…、振る舞いとか話し方とか視点とかね。
すっかり研究者らしくなっちゃって。とても面白い研究でした。これからが楽しみです。
分野外ではありますが、是非今後の彼の論文、チェックしたいな、と思った次第。

そんな一日。