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●「さよならピアノソナタ encore pieces」杉井 光 [読書レポート]

「さよならピアノソナタ encore pieces」杉井 光
真冬とついに結婚…!?本編後日談&補完話


さよならピアノソナタ―encore pieces (電撃文庫)

さよならピアノソナタ―encore pieces (電撃文庫)

  • 作者: 杉井 光
  • 出版社/メーカー: アスキーメディアワークス
  • 発売日: 2009/10/10
  • メディア: 文庫


読了日:2013.11.03
分 類:ライトノベル
ページ:315P
価 格:590円
発行日:2009年10月発行
出版社:アスキー・メディアワークス(電撃文庫)
評 定:★★★★


●作品データ●
----------------------------
主人公 : 桧川 ナオほか
語り口 : 1人称(ぼく)ほか
ジャンル : 現代もの
対 象 : ヤングアダルト向け
雰囲気 : 音楽方面にマニアック
結 末 : まあハッピーエンド
イラスト : 植田 亮
デザイン : Toru Suzuki
装 丁 : 荻窪 裕司
---------------------------

【100字紹介】
とあるピアノソナタに秘められた真実を
ナオと真冬が追いかける話から始まり、
現在のフェケテリコ、ユーリ、神楽坂響子の黒のレスポールにまつわる彼女の過去、
ナオの結婚報告に浮き足立つ哲朗…などの短編詰め合わせ



全4巻で高校の春夏秋冬を描いた本編から、ずずいっと時間が過ぎて、
すっかり卒業して、24歳になったナオたちを描く後日談&本編補完エピソード短編集、
その名も「アンコール・ピース」です。あー、なるほど。

●「Sonate pur deux」ナオと真冬のその後
ナオの24歳の誕生日。アメリカから帰国し、日本に拠点を移すをいう真冬。
そんな中、蛯沢千里から恩師・九重寛文の遺品の中から出てきたという
不可思議な曲の調査を依頼される。

表紙のイラストに繋がるお話。全体の3分の1以上を使った中編。
何かうまくいきすぎだよね、という感はぬぐえず。
まあ、ファンサービスなのです。
そもそもナオが、ホントに凄い人になりすぎて、
ラノベの主人公としては信じられないくらい、社会的な成功者な気がします。


●「翼に名前がないなら」フェケテリコの今
ギターとドラムスという変則編成の2人組バンド・フェケテリコ。
サポートメンバーとしてベースを弾くことになった橘花は、
徐々に明らかになるフェケテリコの過去とともに、深みにはまっていく。

何か、フェケテリコも大変だなあと。
この前話の平和さを見ると、残された2人の鋭さが際立ちますね。
これはこれできっと幸せなのでしょうけれども、対比が。
こちらもあまりにもうまくいきすぎ、とは思いつつ、
鋭さゆえにまだ、リアリティを感じる気はします。


●「ステレオフォニックの恋」ユーリ
「恋をしなさい、ユーリ」
7歳にしてロンドン交響楽団との競演を果たし、華々しくデビューした神童・
ジュリアン・フロベール。12歳でモスクワ音楽院を出るとき、
師のルビンシテイン教授にそう言われた。唯一、ユーリに足りないもの。
アメリカの真冬と、日本のナオや響子のもとをいったりきたりしながら、
その言葉の意味について、知ることになる。

本編補完エピソード。他の話に比べるとちょっとまとまりがないかな、
と思いましたが、単に時間軸が長いせいかもしれません。
ユーリにも、この人だけ、という素敵な人が現れるといいなあと思います。


●「最後のインタビュー」神楽坂響子と黒のレスポールの思い出
フェケテリコの神楽坂響子にインタビューをすることになったナオ。
ついに神楽坂響子の中学時代の「リュウジ」の思い出が語られることに。

時間軸的には、ナオと真冬の結婚後のお話。(あまり関係ないですが)
響子にも青春の思い出と、あとちょっと変わっているけれど、
今よりは十分素直な時代もあったのですね!と。
それにしても橘花の立場って一体…。
何か一番、振り回されキャラな気がします。
最後まで読んでから、リュウジの会話を読み返すと、
「この人、ホントに素直だったんだなあ」と。
いや、ひねくれてますけれどもね。


何か、「え、これで終わりなのかー」と思いつつ、
だからと言って、特にこれ以上読みたいエピソードがあるわけでもなく。

ライトノベルはヒロインが凄く個性的なものが多い気がしますが
振り返ってみるとこの作品、特にヒロインにクセもなく、
何だかあっさりしているし、主人公も同様。
いや、設定自体は凄いです。天才ピアノ少女とか、生活力ゼロとか。
でもあっさりなんですよね。
結局、周りのキャラがうまいこと盛り立てている感じ?
そもそも最終巻の4巻でも、周りがいなければ、
そのまま「はい、さようなら」で終わっていた2人ですよね。
みんなの協力あってこそ、ようやく第1話に辿り着けた割には、
何だか周りには同じような平穏がやってこないとは…、
いや、いいのですけれども。アンコールで彼らがそれぞれ、
メインをはれたのは良かったと思います、はい。


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文章・描写 :★★★★
展開・結末 :★★★+
キャラクタ :★★★★
独 自 性 :★★★★
読 後 感 :★★★★
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菜の花の一押しキャラ…桧川 哲朗

「…なあ、ひょっとしておたおたしてるのっておれの方?」
『今さら気づいたのか?』   (桧川 哲朗、蛯沢 千里)


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